労働者派遣法 条文一覧第一章 総則(第一条―第三条) |
第三章 派遣労働者の保護等に関する措置・第三節 派遣先の講ずべき措置等(第三十九条―第四十三条)
第三十九条(労働者派遣契約に関する措置)
派遣先は、第二十六条第一項各号に掲げる事項その他厚生労働省令で定める事項に関する労働者派遣契約の定めに反することのないように適切な措置を講じなければならない。
第四十条(適正な派遣就業の確保等)
派遣先は、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者から当該派遣就業に関し、苦情の申出を受けたときは、当該苦情の内容を当該派遣元事業主に通知するとともに、当該派遣元事業主との密接な連携の下に、誠意をもつて、遅滞なく、当該苦情の適切かつ迅速な処理を図らなければならない。
2 前項に定めるもののほか、派遣先は、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者について、当該派遣就業が適正かつ円滑に行われるようにするため、適切な就業環境の維持、診療所、給食施設等の施設であつて現に当該派遣先に雇用される労働者が通常利用しているものの利用に関する便宜の供与等必要な措置を講ずるように努めなければならない。
第四十条の二(労働者派遣の役務の提供を受ける期間)
派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務(次に掲げる業務を除く。第三項において同じ。)について、派遣元事業主から派遣可能期間を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けてはならない。
一 次のイ又はロに該当する業務であつて、当該業務に係る労働者派遣が労働者の職業生活の全期間にわたるその能力の有効な発揮及びその雇用の安定に資すると認められる雇用慣行を損なわないと認められるものとして政令で定める業務
イ その業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務
ロ その業務に従事する労働者について、就業形態、雇用形態等の特殊性により、特別の雇用管理を行う必要があると認められる業務
二 前号に掲げるもののほか、次のイ又はロに該当する業務
イ 事業の開始、転換、拡大、縮小又は廃止のための業務であつて一定の期間内に完了することが予定されているもの
ロ その業務が一箇月間に行われる日数が、当該派遣就業に係る派遣先に雇用される通常の労働者の一箇月間の所定労働日数に比し相当程度少なく、かつ、厚生労働大臣の定める日数以下である業務
三 当該派遣先に雇用される労働者が労働基準法 (昭和二十二年法律第四十九号)第六十五条第一項 及び第二項 の規定により休業し、並びに育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 (平成三年法律第七十六号)第二条第一号 に規定する育児休業をする場合における当該労働者の業務その他これに準ずる場合として厚生労働省令で定める場合における当該労働者の業務
四 当該派遣先に雇用される労働者が育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第二条第二号 に規定する介護休業をし、及びこれに準ずる休業として厚生労働省令で定める休業をする場合における当該労働者の業務
2 前項の派遣可能期間は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める期間とする。
一 次項の規定により労働者派遣の役務の提供を受けようとする期間が定められている場合 その定められている期間
二 前号に掲げる場合以外の場合 一年
3 派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務について、派遣元事業主から一年を超え三年以内の期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けようとするときは、あらかじめ、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者派遣の役務の提供を受けようとする期間を定めなければならない。
4 派遣先は、前項の期間を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、当該派遣先の事業所に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合に対し、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者に対し、当該期間を通知し、その意見を聴くものとする。
5 派遣先は、労働者派遣契約の締結後に当該労働者派遣契約に基づく労働者派遣に係る業務について第三項の期間を定め、又はこれを変更したときは、速やかに、当該労働者派遣をする派遣元事業主に対し、当該業務について第一項の規定に抵触することとなる最初の日を通知しなければならない。
6 厚生労働大臣は、第一項第一号の政令の制定若しくは改正の立案をし、又は同項第三号若しくは第四号の厚生労働省令の制定若しくは改正をしようとするときは、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴かなければならない。
第四十条の三(派遣労働者の雇用)
派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務(前条第一項各号に掲げる業務を除く。)について派遣元事業主から継続して一年以上前条第一項の派遣可能期間以内の期間労働者派遣の役務の提供を受けた場合において、引き続き当該同一の業務に労働者を従事させるため、当該労働者派遣の役務の提供を受けた期間(以下この条において「派遣実施期間」という。)が経過した日以後労働者を雇い入れようとするときは、当該同一の業務に派遣実施期間継続して従事した派遣労働者であつて次の各号に適合するものを、遅滞なく、雇い入れるように努めなければならない。
一 派遣実施期間が経過した日までに、当該派遣先に雇用されて当該同一の業務に従事することを希望する旨を当該派遣先に申し出たこと。
二 派遣実施期間が経過した日から起算して七日以内に当該派遣元事業主との雇用関係が終了したこと。
第四十条の四
派遣先は、第三十五条の二第二項の規定による通知を受けた場合において、当該労働者派遣の役務の提供を受けたならば第四十条の二第一項の規定に抵触することとなる最初の日以降継続して第三十五条の二第二項の規定による通知を受けた派遣労働者を使用しようとするときは、当該抵触することとなる最初の日の前日までに、当該派遣労働者であつて当該派遣先に雇用されることを希望するものに対し、雇用契約の申込みをしなければならない。
第四十条の五
派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務(第四十条の二第一項各号に掲げる業務に限る。)について、派遣元事業主から三年を超える期間継続して同一の派遣労働者に係る労働者派遣の役務の提供を受けている場合において、当該同一の業務に労働者を従事させるため、当該三年が経過した日以後労働者を雇い入れようとするときは、当該同一の派遣労働者に対し、雇用契約の申込みをしなければならない。
第四十一条(派遣先責任者)
派遣先は、派遣就業に関し次に掲げる事項を行わせるため、厚生労働省令で定めるところにより、派遣先責任者を選任しなければならない。
一 次に掲げる事項の内容を、当該派遣労働者の業務の遂行を指揮命令する職務上の地位にある者その他の関係者に周知すること。
イ この法律及び次節の規定により適用される法律の規定(これらの規定に基づく命令の規定を含む。)
ロ 当該派遣労働者に係る第三十九条に規定する労働者派遣契約の定め
ハ 当該派遣労働者に係る第三十五条の規定による通知
二 第四十条の二第五項及び次条に定める事項に関すること。
三 当該派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に当たること。
四 当該派遣労働者の安全及び衛生に関し、当該事業所の労働者の安全及び衛生に関する業務を統括管理する者及び当該派遣元事業主との連絡調整を行うこと。
五 前号に掲げるもののほか、当該派遣元事業主との連絡調整に関すること。
第四十二条(派遣先管理台帳)
派遣先は、厚生労働省令で定めるところにより、派遣就業に関し、派遣先管理台帳を作成し、当該台帳に派遣労働者ごとに次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 派遣元事業主の氏名又は名称
二 派遣就業をした日
三 派遣就業をした日ごとの始業し、及び終業した時刻並びに休憩した時間
四 従事した業務の種類
五 派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項
六 紹介予定派遣に係る派遣労働者については、当該紹介予定派遣に関する事項
七 その他厚生労働省令で定める事項
2 派遣先は、前項の派遣先管理台帳を三年間保存しなければならない。
3 派遣先は、厚生労働省令で定めるところにより、第一項各号(第一号を除く。)に掲げる事項を派遣元事業主に通知しなければならない。
第四十三条(準用)
第三十九条の規定は、労働者派遣の役務の提供を受ける者であつて派遣先以外のものについて準用する。